肥沃な土壌は、風化した岩石の破片と朽ちていく有機物の混合で決まり、ティースプーン1杯の健康な土には地球人口よりも多い微生物が存在します。
土壌微生物は以下の2つの役割を果たします。
・微生物は死んだ動物や植物の有機物を分解し、重要な栄養素を生態系内の循環に戻す。
・植物の根から出る浸出液、炭水化物と引き換えに、その重要な栄養素を根に、必要な場所に正確に供給する働き。
微生物は、窒素、カリウム、リンをはじめとする養分を供給して植物の世界を繁栄させ、気候変動対策にも役割を果たします。
世界中で出る固形廃棄物の半分近くが有機物、すなわち生分解されるものです。
分解されるのに数週間から数ヶ月かかります。
その主な原因は食糧廃棄物、そして庭や公園から出るゴミ扱いの葉です。
現代では大量の有機廃棄物が埋立地に行き着きます。
そして酸素がない状態で腐敗すると、二酸化炭素の34倍にもなる強力な温室効果ガス、メタンを放出します。
人間活動が原因の地球温暖化の4分の1はメタンガスだけが原因だとも言えます。
堆肥化は、裏庭のゴミ箱から事業経営まで規模は様々ですが基本的な過程は同じです。
有機物という微生物のご馳走を欠かさないのに十分な、水分、空気、熱の確保です。
細菌、原生動物、真菌類は炭素が豊富な有機物を食べています。
堆肥化は20世紀初めからありますが、現代の都市では特に有益です。 人口が密集している都市部での食糧廃棄物管理は大変ですが、以下の取り組みが行われています。
・2009年サンフランシスコは市の食糧廃棄物の堆肥化を義務づける条例を可決。
・シアトルは歩道のゴミ箱を監視し、市の対比化の規定に違反した人に罰金を科す。
・デンマークのコペンハーゲンは有機廃棄物を埋め立て処理をしなくなり25年以上。
その結果、コスト削減、肥料生産、炭素削減と3重の利益を得ている。
リサイクルと同様に、堆肥化の運営を成功させるには、廃棄物処理について市民を教育することが必要です。
また、廃棄物の収集、輸送、処理に必要なインフラを構築し、対象を絞った収集計画を整備することが必要です。
2050年までの成果ランキング60位
CO2削減 2.28ギガトン
正味コスト -6.82兆円
正味節約額 -6.51兆円